歯磨きをする際の注意ポイントを教えて!

子ども用歯磨き粉の選び方を教えて!

子どもの歯磨きはいつから始めたらいいですか?

自宅での歯みがきチェック何に気をつけたらいい?

お子さんの仕上げ磨きがストレス、なんてこともあるのでは?子どもが嫌がらないよう、効率の良い歯磨き習慣が大切です。乳児期からガーゼで拭いたり、歯の萌出を見ながら徐々にブラシに慣れさせていきます。頭が固定され口の中が見やすい寝かせ磨きや、嫌がるようになったら、立たせた状態で後ろから顔を上向きにして磨く等、体勢も工夫しましょう。前歯奥歯、表裏と磨く順番を決めるのも有効です。上の前歯は粘膜に注意しブラシを軽く横に振動させ、隙間のない歯列にはフロスを併用。奥歯の外側は口を閉じ気味にして、内側は舌の下側からブラシを入れ、溝は音がするくらいに毛先を垂直に当てましょう。生え始めの六才臼歯は、横からブラシを入れて丁寧に。下の前歯は最後でも。磨き粉なしでも、きちんと汚れが落ちれば大丈夫です。ママも一緒の習慣づけが大切です。

歯ブラシ以外で有効な歯みがきケアを教えて!

歯ブラシでのケアは、日常の習慣として定着しています。しかし、虫歯や歯周病対策のためには、歯ブラシに加えてデンタルフロスや歯間ブラシ、マウスウォッシュ等を使用することをおすすめします。上手な使い方と手順を簡単にお話しましょう。まず歯ブラシ。歯の形や歯列をイメージしながら、歯茎の際まで丁寧に磨くことが大切です。鏡を見たり、子どもの場合は歯垢染め出し液を使うのも有効でしょう。次にフロス。磨きにくい歯間部や、歯肉のポケット清掃に力を発揮します。隙間の大きい部分は、歯間ブラシで歯垢を掻き出しましょう。歯茎を傷つけないように、歯の側面に沿わせて使います。どちらも就寝前の歯ブラシ後が有効です。仕上げにデンタルリンスで殺菌・歯面コーティングを図るといいですね。正しい使用方法と手順を、かかりつけ医に教わってみては。

きちんと歯磨きしているのに子どもの口臭が…なぜ?

子どもの口臭の原因ですが、大人と同様に、虫歯や歯肉の炎症、歯垢の付着や舌苔などが考えられます。しかし、清掃状態は良好なのに口臭が気になる事もあります。原因としては、口呼吸が考えられます。これは、鼻疾患や鼻の通りが慢性的に悪いなど耳鼻科系に起因するものと、最近の食生活やライフスタイル、遊び道具の変化に伴い、口の周りの筋肉の機能が乳幼児期に鍛えられない為に、鼻で呼吸ができず口呼吸になってしまうものがあります。口が乾燥しやすい口呼吸では、唾液の作用が低下し、口腔内の細菌の繁殖が促され、口臭の原因となってしまうのです。神経質になりすぎることはありませんが、かかりつけ医で口腔機能の発達に関するアドバイスや、ブラッシング指導を受ける事で、口臭予防に役立つ知識を増やし、お子さんに役立ててみましょう。

歯の矯正をした方が良い基準って?タイミングは?

「基準は?」との問いに、一言でお答えするのは難しいのですが、歯並びや咬み合わせが悪いと、虫歯、歯周病になり易く、顎関節症や構音障害、咀嚼能力の低下からくる肥満、コンプレックスから思い切り笑えなくなる事などが、一般的には考えられます。このような結果を招く可能性がある歯列不正に関しては、1つの基準と言えるでしょう。またタイミングですが、永久歯が生え揃う前が、検査・治療の最適な時期と考えてください。思春期を迎え、顎の骨が急成長する時期をうまく矯正に利用するのです。顎の成長を抑えたり促進したりする治療で、永久歯のためのスペースを作ったり、上下の顎のバランスをとる事で、永久歯列完成後の本格的治療を容易にし、永久歯を抜歯しての矯正を減らすこともできるのです。お子さんの歯並びが気になったら、まず治療の必要性とタイミングを相談してみましょう。

妊娠中に歯の治療が行えない時期ってありますか?

一般的には、歯科治療が行えない時期はありません。しかし、時期によって治療方法や処置内容が異なります。安定期(5~8か月)であれば、比較的心配なく通常治療を行うことができます。この時期に体調をみながら、頑張って加療される事をおすすめします。また妊娠初期や後期は、応急処置を中心に、母体やお腹の赤ちゃんに細心の注意を払った治療が行われます。いずれの時期も、画一的な治療ではなく患者さん個々の健康状態・心理状態を加味して、相談の上、方針が決定されます。皆さんにとって、レントゲン、麻酔の注射、投薬等は不安でいっぱいのはず。でも、重要度とリスクを充分考慮し、必要性を検討した上で活用されるので心配はいりません。早産や低体重児出産の原因になる歯科疾患。妊娠が分かったら早めに健診を受けて、出産に備えましょう。

子どもにも歯周病ってあるんですか?

歯周病は大人だけの病気ではありません。歯周病は、歯茎の炎症による腫れ・出血を伴う歯肉炎と、歯を支えている骨まで溶けてしまう歯周炎とに分けられます。小中学生の歯周病は、ほとんどが前者の歯肉炎=初期の歯周病です。歯垢の中の歯周病菌が原因で、ブラッシング不足や、糖分を多く含んだ軟らかい物を摂取する機会の増加、口呼吸、歯列不正等が炎症の増悪因子となります。10代の子どもの5割がこの歯肉炎に罹患しており、お口の環境次第では、将来歯がぐらぐらになる歯周炎を経て、早期に入れ歯になる可能性も。また稀にですが、若年者にも侵襲性歯周炎と呼ばれる急速な進行を伴う難治性の歯周炎が発症することもあります。いずれにしても、子どもだからと軽く考えるのではなく、子どもの時から、という予防と早期治療を心がけることが大切です。

これからのお出かけシーズン外出先での虫歯予防は?

外出先での虫歯予防対策、確かに時間や場所の制限があり、万全を期するのは難しいですね。もちろん、歯磨きセットを携行し、短時間でもブラッシングをして頂くのが一番有効です。磨き粉を使わず、歯ブラシのみでも構いません。歯ブラシが無ければ、食事やおやつの後、こまめにお茶や水でお口をゆすぐだけでも、虫歯の素となる歯垢の付着を少なくする事ができます。また、キシリトール配合(糖質に対して50%以上)のガムやタブレットを上手に使うのもいいでしょう。キシリトールには、虫歯菌の大好きな酸を作らない、虫歯菌自体の増殖を抑えるなどの性質がある他、唾液の分泌を促し、歯の石灰化の手助けもします。但し、シュガーレス表示があり砂糖等が使われていない事や、飴等は咬まずになめる事が条件です。意識を持つ事、ちょっとした努力で、虫歯予防の工夫をしてみましょう。

妊婦さんが気をつけるべきお口のことを教えてください

妊婦さんのお口の事で、気に留めるべき点は、大きく分けて2つあります。ご自身のお口の環境の変化に対する管理を怠らない事と、お腹の中の赤ちゃんの口腔環境形成に、大きく関係している時期であることを認識しておく事です。妊娠期特有の、ホルモンバランスの変化やつわりによって、虫歯や歯肉炎、歯周炎になりやすくなります。重度の歯周病は、低体重児出産の確率を増します。喫煙や過度なダイエット等も早産を誘発する事があります。歯石除去やクリーニング・ブラッシング指導を受けたり、生活環境を改善したりすることでリスク回避ができます。また、赤ちゃんの歯は、お母さんのお腹の中で妊娠初期から作られる事も忘れずに。カルシウムだけでなく、バランスの良い食事を心がけ、強い歯を作る準備をしてあげましょう。妊婦さんの体やお口は直接赤ちゃんの健康に結びついているのです。

歯磨き粉は何才から使うの?飲んでしまっても問題ない?

一般的な歯磨き粉を使っての歯磨きはぶくぶくうがいができるようになる3才位が目安となります。上手くうがいができないと、磨き粉ごと飲み込んでしまう割合が大きくなってしまいます。もちろん、いくつになっても多少は飲み込む分もあるのですが、適量を適切に使用している限りは、健康を害する心配はありません。うがいができるようになるまでは、何もつけないブラシでしっかり磨ければ問題ありませんが、フッ素による歯質の強化を望む場合は、泡立たないので磨き易く、うがいや拭き取りのいらない、植物原料でできた飲みこんでも大丈夫なジェルタイプの磨き粉もあります。泡状・液状のスプレーで、うがいのいらないフッ素配合のものを使っても良いでしょう。かかりつけ医に相談しながら、成長に合わせた適切な使用を心がけましょう。

虫歯菌について、3才位まで注意した方がいいって本当?

虫歯がができにくいお口の環境づくりは、1才半~3才位までのケアが重要です。虫歯菌はこの時期に、お母さんや周りの人々の唾液から感染するのです。但し、感染しても、だらだら食べをする食生活にしない、ブラッシングをこまめに行う等の、虫歯菌が定着しない努力をすれば、歯の質やお口の環境も含め、虫歯ができにくい状態をつくることができます。またこの時期は、柔らかく、虫歯になり易い生えたての幼若(ようじゃく)な歯を、きちんとした食生活のリズムづくりや、フッ素を併用した正しいブラッシングを習得する事で、強い歯へと育てていく大事な時期でもあるのです。妊娠期を含めた、お母さま方ご自身のお口の整備が、まず一番。その上で、3才位までの子どものお口の環境づくりを、あきらめず根気強く努力してみましょう。

「歯が痛い」と思っていたらしばらくすると…治った?

「歯が痛い、虫歯かな」と思っていたら、いつの間にか落ちついている事があります。種々のケースが考えられますが、大きく分けると3つ。

①知覚過敏や、神経の軽い炎症で一過性のもの。

②虫歯が深く、痛い時期を通り過ぎると、神経が死んで、痛みがなくなります。その後、根の先に膿がたまり、顎骨が炎症を起こし、激しい痛みが再度訪れます。回数をかけた根の治療で治る事もありますが、抜歯にいたる事も珍しくありません。

③歯周病の急性期には、歯ぐきに膿がたまって痛みが出ます。腫れた所が破れて膿が出ると痛みが減りますが、放置すると、腫れと痛みを繰り返しながら骨が溶けて歯が抜けてしまいます。
仮に①のような一過性の痛みであっても、適切なアドバイスや処置を受けることで症状を軽減できます。「あれっ」と思ったら、先ずはかかりつけ医に相談してみましょう。

子どもの歯ブラシ選びと仕上げ磨きのポイントは?

乳歯の生え始めから、永久歯が生え揃うまでの時期は、歯列の状態に合わせて歯ブラシを選びましょう。乳歯の生え始めは、仕上げ磨き用歯ブラシを使います。柔らかめの毛で歯肉を傷つけず、お母さんが持ちやすいグリップになっています。乳歯期には、子どもが持ちやすく、小さい歯にピッタリサイズの乳歯期用で。大小の歯が凸凹に混在する生え代わりの時期には、6才臼歯に届きやすいネックの長さと、やや大きめの混合歯列期用を使います。凸凹部分は、独特な植毛形態のタクトブラシを使うのも有効です。仕上げ磨きのポイントは①歯と歯、歯茎との間に、毛先を直角に当てる➁優しい力で小刻みに磨く➂上下の奥歯と上前歯の仕上げをしっかり④ぐずる時間を避け、歯茎や粘膜は人差し指でガードして痛くないように、等々工夫できる事はいっぱいです。

子どもが熱い物や冷たい物がしみる様です。虫歯ですか?

歯がしみる原因として、大きく分けると虫歯、歯ぎしり・くいしばりからの知覚過敏が考えられます。虫歯も最初のうちは、冷たい物がしみるだけですが、神経をいじめ出すと熱い物でしみたり、自然に疼いたりします。神経が死んでしまうと、一時的に痛みは感じなくなりますが、放置すると化膿して、骨が感染し、我慢できない位痛み出します。ひどくなると夜眠れない事もあります。神経を取っても歯を残せれば良いのですが、放置した虫歯は、抜歯になることも少なくありません。歯ぎしりでも、歯の表面がもろくなり、削れたりするので、知覚過敏を起こしてしみてきます。歯が欠けることもあります。いずれにしても、早期の虫歯治療や、習癖から歯を守るマウスピース等、適切な処置で、大切な歯を守る事ができます。まずは、かかりつけ医にご相談を。

子どもの銀歯に抵抗が…他の方法は?体への影響は?

金属のつめ物以外では、レジンと呼ばれる白いプラスチックのような物があります。歯の削合量を減らし、審美的には良好な面がメリットです。但し、条件によって適さない場合もあります。形とりをして修復する方法は、強度の面で優れ、適合性が良いので、二次う蝕を予防し歯肉の炎症を抑える事で、歯と歯肉を守る治療と言えます。この場合使用される金属は、歯科材料として安定性の高い物で、体に悪いということはありません。但し、金属アレルギーがある方は使用できませんが、金属の種類にもよる事、他のつめ物でもアレルギーは起こり得ることも知っておくべきです。保険外であれば、審美性と安全性を兼ねたつめ物、被せ物もあります。乳歯か永久歯なのかも考慮すべき点です。個々にあった納得の治療を、正しい知識のもと、かかりつけ医とご相談ください。

子どもは虫歯になりやすく進行も早いって本当?

乳歯や幼若永久歯(ようじゃくえいきゅうし=生えたばかりの永久歯)は、表面のエナメル質が脆いため、虫歯になりやすく、進行が非常に速いのが特徴です。しかも、痛みがあまりないまま進むので、気づかないうちに大きな虫歯が何本も…なんで事がよくあります。子どもの歯は、質が弱いだけでなく、溝の形が複雑で、交換期には並びがでこぼこになるので、汚れがたまりやすく、磨き残しが多くなりがちです。しかし、乳歯や幼若永久歯は、未完熟な分、唾液からカルシウムやリンなどのミネラルを容易に取り込みます。この時期にフッ素を利用すると、前述のミネラルなどと協調して歯の再石灰化を促し、丈夫な歯を作ることができるのです。痛みを伴いにくい子どもの虫歯ですが、放置すると歯並びが悪くなったり、顔や全身の成長に悪影響を与え、健康自体を損なう事もあります。強い歯を作ることは、強い体を作る源になるのです。

歯を抜いたときに気をつけることってありますか?

抜歯時の炎症の強さや抜歯の難易度にもよりますが、感染の予防や、傷の治りを良くするために、大切な注意事項があります。

①抜歯後にあてるガーゼは10~20分位しっかり咬んでください。圧迫することは一番の止血法です。

②強く口をゆすがないこと。せっかく固まってきた血が流れ、再び出血してきてしまいます。

③舌や指で傷口を触らない。

④飲酒や過激な運動、長い入浴など、血行の良くなることはやめましょう。

⑤麻酔のせいで唇やほっぺたを咬んで傷つけることがあります。しびれたままでの食事は気をつけて。

⑥薬は指示通りに飲む事。但し、異常が出たらすぐに医師に相談しましょう。

乳歯のように抜歯後ほとんど心配のない場合もありますが、骨に炎症が及んでいると原因歯を抜いても痛みが続くこともあります。かかりつけ医のアドバイスを受けてください。

歯の痛みを放置していたら痛みがなくなりました。大丈夫?

放置しておくことで症状がなくなる、これはお口の中の環境がより悪化してきたことを示す場合もすくなくありません。例えば、歯を磨く時や冷たいものを口に含んだときにピリッとしみたりする「知覚過敏」、これは歯周病が進行した黄色信号だったり、間違った磨き方や強い歯ぎしりの現れだったりします。一過性で症状がなくなったけれども、そのうち歯がグラグラに・・・なんてこともあります。ズキズキ痛む虫歯も神経が死んでしまうと痛みがなくなりますが、その後、骨の中で膿を持ち、激しい痛みを伴い、抜歯に至ったり、炎症がひどいと入院加療が必要になります。その他にも初期のSOSを見逃したために、よりきつい痛みを味わったり歯を失ったりすることもあります。「あれ?」と思ったら、まずかかりつけの歯科に相談してみましょう。

歯磨き粉はいつ頃から使い始めるといいですか。

そもそも歯磨き粉の役割ですが、研磨剤や泡立ち、漂白作用等で汚れや着色を落とし、口臭を抑え、フッ素等が歯の表面に作用する事で予防効果を発揮します。

また、歯肉の炎症を軽減させる成分も含まれています。これだけ聞くと、歯磨き粉の長所だけが引き立ちますが、独特のいい香りと清潔感で、磨けた気持ちで終わってしまったり、発砲作用で口の中がいっぱいになり、ブラッシングの時間が短すぎたり・・・なんて事もあります。

まず、一番大切なのは、磨き粉ではばく、ブラシやフロスで丁寧に汚れを落とすことです。

お子様の場合は、年齢よりも、「ぶくぶくうがい」ができるかどうかが磨き粉を併用する時期の目安です。

成分的に神経質になる必要はありませんが、飲み込まずにゆすげるようになってから使い始めても遅くありません。

歯磨き後にうがいができず、お茶を飲ませています。大丈夫でしょうか?

ブクブクうがいや、ガラガラうがい、うがいの種類にもよりますが、3~4才位から、できる子の割合が増えてきます。当然、それ以下の年齢のこども達には、上手にうがいの出来ない子がたくさんいます。

お母さん達も、虫歯予防のための歯みがきの重要性は分かっていても、歯磨き後の磨き粉やジェル・フッ素や、ゆすいだお茶を飲み込んで大丈夫かどうかになると「?」という方が多いかもしれませんね。歯磨き剤は、ブクブクうがいができなければ、研磨剤を含まない、フォームやジェル状の物が良いでしょう。フッ素の濃度も心配であれば、500ppm位の低濃度のものであれば、気持ちの上でも安心かもしれませんね。また、お茶に含まれるカテキンは、虫歯菌の増殖を抑制するので虫歯の予防に効果的。抗菌脱臭作用もあります。前述した磨き剤や、口をゆすいだお茶は、飲んでも心配ありません。

歯磨きの「終わり」が分からないのですが…

歯の汚れや磨き残しは、目に見えない色調のものも多く、確かに、きちんとできたという達成感に乏しいかもしれませんね。そこで、まず歯を磨く順番を決めましょう。例えば、左下奥の内側から前歯の裏、右下奥の内側から外側、前歯の前面を通って左奥の外側へ戻る。上も同じ要領で。1~2つの歯に対して、面に直角に当たる様に、小刻みにブラッシングします。歯と歯の間、歯茎との際、奥歯の溝、上前歯は特に磨き残しが多く、歯垢は無色なのでつい、見落としがちです。染め出し液で磨き残しを確認し、不得意部位の克服を試みるのも手です。ブラッシングや、順序を体系化、習慣化し、染め出し液等で変化を持たせる事で、効率的に、歯磨きの「綺麗になった」「終わり」の目安を決める事ができます。

虫歯予防のためにも早めに卒乳したほうがいい?

子どもが卒乳するまでの「授乳と虫歯」に対する考えは、栄養や免疫の問題だけではなく、子どもの精神面や母子の繋がりという面での利点と、虫歯になりやすい口腔環境形成という側面とを知っておく必要があります。母乳を飲むという行為は、口唇の機能発達に欠かせないばかりか、精神の発達・安定にも大きく影響するため、虫歯予防だけを目的にした早期断乳はおすすめできません。母乳そのものが虫歯を作るわけではないからです。離乳食が始まると、虫歯菌は親や祖父母の口から食器の共有などを通して子どもの口へ移り、口腔内を蝕みます。そこに食べかすや母乳が餌として存在すれば、虫歯になってしまいます。ガーゼや綿棒でのケア、水や茶の飲用はもちろんですが、親自身のお口の環境を良好に保つことがとても重要なのです。

歯並びに関係なくフロスや歯間ブラシは使うべき?

「両親の歯が弱いと、子どもも虫歯ができやすい!?」と心配されているようですが、遺伝は関係ないことの方が多いでしょう。歯の表面の硬いエナメル質という層が無かったり弱かったりする“エナメル形成不全„等は確かに母体からの影響ですが、虫歯菌は、生まれてすぐの赤ちゃんには存在しません。無菌なのです。お母さんとの食事の口移しやスプーンの共用等によって、初めて虫歯菌が入るのです。ですので、お母さんのお口の環境が悪ければ、お子さんも虫歯になりやすいと言えます。

歯の表面に乳白色や茶色のスポットがある、食べかすがつまる、しみる、口臭がする、だらだら食べをしている、甘い物が大好き等、虫歯のチェックポイントは満載です。少しでも気になったら、まずは検診。虫歯菌の早期退治を心がけましょう。

両親ともに歯が弱いです。子どもにも遺伝しますか?

歯ブラシ以外の、デンタルフロスや歯間ブラシの使い方や効果、わかっているようでも正しく使うのは難しいものです。細い糸で歯の間を清掃するフロスは、大人も子供も歯数が残っている方にとっては、歯垢除去率を飛躍的に向上させ、虫歯や歯周病予防にとても重要です。また、フロスのひっかかり具合で、虫歯やつめ物・かぶせ物の不具合を発見したり、出血の有無で歯周病管理にも役立ちます。口臭予防にも効果大です。歯間ブラシは、若年層や歯茎が下がっていない方は通す必要はありませんが、歯間に隙間があったり歯周病に罹患している方、矯正器具等で細部が磨けない方には、正しいサイズを選択しての使用をおすすめしています。いずれも正しく使う事で、気持ちの良い、口腔環境管理に役立つグッズです。なぜ、どうしても含めて、専門医の指導を受けましょう。

子どもの「歯の質が弱い」と言われて心配です…

歯の表面が白濁している、黄色や茶色っぽい色をしている、もしくは表面が凸凹して穴があいているようであれば、エナメル質形成不全と呼ばれる、虫歯になりやすい歯である可能性が高いです。原因は、赤ちゃんがお腹の中にいる時のお母さんの病気、服薬、ホルモン異常、栄養状態、あるいは遺伝のこともあります。また、乳歯の虫歯や外傷歯などが原因で、永久歯のエナメル質が脆くなることもあります。

虫歯になりやすいため心配ですが、正しいケアができていれば問題ありません。きちんとブラッシングをすることは当然ですが、フッ素の活用、プラスチックによるコーティングや詰め物という方法もあります。永久歯にはセラミックによる被覆などもできます。虫歯や外傷歯を軽くみず、適切な予防や処置で大切な歯を守りましょう。

永久歯が出てきません。様子を見ていて大丈夫?

乳歯の下には、歯胚といって、永久歯の芽のような物が存在します。これが先天的に欠如すると、永久歯が萌出ず、選定性欠如歯となります。遺伝や全身疾患薬物の副作用、人の進化の過程での淘汰等、諸説あり原因は明らかではありません。前から二番目と五番目の側切歯、第二小臼歯に10%程の頻度で認められます。また、永久歯があっても、スペース不足で生えてこない事もあります。

いずれにしても、欠損部位に隣の歯が倒れて来たり、歯が伸びて歯並びが悪くなったり、咀嚼能率が落ちたり、バランスが悪いため顎の成長に悪影響を及ぼしたりする等の弊害が生じる可能性があります。スペース確保のためのいろいろな装置や方法、適切なタイミング等が考えられます。様子見も含め、定期的なチェックが必要です。

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